2022年1月期FP2級の試験問題を解いてみた話のその後です。
FP2級は学科・実技どちらも合格点に達していたものの子育て等で試験を受けられない状況なので、
だったら先にFP1級の勉強始めちゃえ~!
ということで買っちゃいました。
きんざいさんのFP1級参考書&問題集を!↓

空き時間ができたらコツコツやっているかんじなんですが、さすがはFP1級、、、難しいです(@_@)
この記事では、FP1級学科がどれだけ難しいのか、勉強を始めたばかりの私の視点で説明します。

FP2級に合格したからFP1級も受験してみたいけれども、かなり難しいって聞いたから自分に続くだろうか・・・?
なんて悩んでいる方や

FP1級の学科試験がどれだけ難しいかわからなくて、勉強を始める勇気がない・・・。
と検討中の方には参考になる話です。
ぜひ、ご一読くださいませ<(_ _)>
FP1級学科試験は難しい?試験概要を紹介
FP1級の学科は試験概要を見ると、FP2級より難易度が上がっていてかなり難しいんだなぁと思わされます。
FP1級の学科は受験生にはおなじみ金財(一般社団法人 金融財政事情研究会)さんが主催しているので、金財さんの公式ホームページを参考にして試験概要を表にしてみました。
回答する問題 | 出題形式 | 満点 | 合格基準点 | 試験時間 |
基礎編 | マークシート50問 | 100点 | 基礎編と応用編の得点合わせて120点以上 | 150分 |
応用編 | 記述式 大問5題 | 100点 | 同上 | 同上 |
見た感じFP3級・FP2級とは圧倒的に違う感じがしますね~。
FP1級学科の試験概要の中でどこが難しいのか説明します。
学科試験の段階で基礎編と応用編の2つを解かなければならない
FP3級とFP2級の試験は毎回、午前中に学科試験を解いて午後から実技試験を解きます。
この2つの試験それぞれの点数で合否が決まります。
一方、FP1級は実技試験の前の学科試験の段階で基礎編と応用編といった2種類の問題を解かなければなりません。
基礎編はFP3級・FP2級でいう、学科試験のような出題形式です。
応用編は金財の試験を選択された方ならわかると思いますが、FP3級・FP2級でいう実技試験のような問題が出題されます。
合否は基礎編と応用編の合計点で決まるので、どちらも力入れて対策しなくてはならないというわけではないです。
しかし、学科試験の段階で2つの試験を解かなければならないってけっこうお腹いっぱいになりますよね(=_=)
学科試験に合格できないと実技試験を受けられない
FP1級では、基礎編と応用編といったお腹いっぱいになりそうな試験に合格した者だけ実技試験を受けられます。
FP3級・FP2級では、学科試験か実技試験のどちらか一方が合格できた場合は、一部合格として翌々年度末まで試験免除が有効というハンデをもらえます。
しかし、FP1級は学科試験に合格できないと実技試験を受けられず、ハンデは一切ありません。
基礎編・応用編どちらかで6割取れても不合格であればやり直し
FP1級は基礎編と応用編の合計点が120点以上で合格できます。
つまり、基礎編と応用編のそれぞれで6割以上得点できれば合格は確実ですが、基礎編・応用編のどちらかで6割取れてももう一方が6割に届かなければ不合格です。
FP1級には一部合格というありがたいハンデは一切ないので、学科試験からやり直しということになります。
基礎編と応用編をバランス良く得点する対策をしなければ、心が折れる結果を迎えてしまうということなんですね(^^;)
試験時間は基礎編・応用編どちらも150分と長い
FP1級の試験時間は基礎編・応用編どちらも150分です。
2時間半×2回とかなり長丁場なんですよね。
試験会場には朝から夕方までずっと拘束されることになります。
それだけ出題内容が膨大で範囲が広いということなのでしょうが、想像しただけでぐったりしそうです(-_-;)

ココが難しいよFP1級学科試験
FP1級は試験概要を調べただけでも難しいことがわかりますね。
次は、私が勉強してみてわかったFP1級学科の難しいところについて語ります。
とにかく細かい論点を問われる
勉強を始めてからすぐに私の口から出てきたのは
『細かっ!』
の一言でした。
とにかく細かい論点が問われるんです(T_T)
FP1級はこんなに細かい!?出てくる論点の例を3つ挙げます
どれだけ細かいのかをわかっていただくために参考書や問題集に掲載されている内容をA分野(ライフプランニング)から例を挙げます。
①6つの係数は逆数の関係まで出てくる
FPの勉強を始めると最初の方に挫折する『6つの係数』がさら~にリニューアルして難しくなりました!
FP3級・FP2級までの6つの係数についてはこちらの記事に書いています↓
6つのうち求めたい数字にあてはまる係数を考えてかけ算するのが解き方ですが、かけ算だけではなく割り算が出てきます(@_@)
割り算するのはあてはまる係数の逆数になる関係のものです!!
この逆数の関係がなかなか頭に入りません。。。
ちなみに6つの係数の逆数の関係は以下のとおりになっております。
●現価係数⇔終価係数
●年金終価係数⇔減債基金係数
●年金現価係数⇔資本回収係数
②社会保険の被保険者となる短時間労働者の条件を覚えなきゃならない
ざっと説明すると、パートさんやアルバイトなど短時間労働者でも以下の条件を満たしていれば社会保険に加入しなければならないよという話です。
・1週間の所定労働時間が20時間以上
・雇用期間が継続して1年以上の見込み
・賃金月額(賞与・残業代・通勤手当を除く)が88,000円以上
・学生等でない
FP2級までは、社会保険は加入した後の話だけ覚えていれば合格できた感触でしたがFP1級は加入条件まで問われます。
、、、もちろん1回じゃ覚えられません!(笑)
③フラット35の条件と種類が細かすぎる
FP1級にもフラット35の論点が出ます。
フラット35ってFP2級までは融資限度額8,000万円とか繰り上げ返済は窓口受付は100万円以上、ネットからは10万円以上などの要点をザッと覚えていれば十分かなと個人的には思っていました。
これがFP1級になると
窓口での繰り上げ返済は1ヶ月前までに手続きが必要。手数料はかからない
とか
年収400万円未満の人は年間返済額が年収の30%以下とか
こっまかい要点がずらずらと出てきます。
要点の細かさよりもびっくりしたのがフラット35って種類がいっぱいあるんですね。
フラット35Sとかフラット35(リノベ)とかダブルフラットとか・・・
名前だけではなく、もちろんザッとした内容も覚えなくてはなりません(T_T)
上記に挙げた3つの他にも細かすぎて伝えたい論点がたっくさんあります。
でも、全部言ったらこの記事が終わりがわからなくなるのでこの辺にしておきます。

暗記だけでは絶対無理!な計算式が出てくる
FP3級やFP2級でも利回りの計算式や相続税の基礎控除の計算式といった覚える計算式はたくさんあり、どの計算式も暗記で乗り切ってきました。
しかし、FP1級に出てくる計算式は暗記さえできないような強者ぞろいなのです!
それでは、どれだけ難しい計算式が出てくるのか、また3つ例に挙げることにします。
とてもじゃないけど覚えられない!FP1級で出てくる計算式3つだけ紹介
これまで勉強した範囲の中で、難しすぎると思った計算式を3つ紹介します。
①圧縮記帳の圧縮限度額
FP1級の勉強を初めて1番最初に『何これ(=_=)』と思った計算式ですね。
圧縮記帳というのは、
法人が災害などで資産を損失した時に保険金で代替えの資産を購入・改良した時に保険金で得た利益がかなり高額になって、法人税も高額なるから利益を時期以降に繰り延べしよう
という趣旨の経理処理のことです。
繰り延べできる金額の限度額を圧縮限度額といいまして、その計算式というのがこちら↓
圧縮限度額=保険差益×代替資産の取得に充てた金額(分母の金額が限度)/保険金ー支出費用(※)
(保険差益=保険金ー損失資産の帳簿価格ー支出費用(※))
※支出費用は、損失した固定資産に直接かかる費用のみが対象
分母も分子も長い文章で覚えられないですよね。。
保険差益の計算式からして長いですよね。。。
計算式の言葉が長すぎてもはや何を求めてるのかさえわからくなりました。
②年複利利回り
FP3級・FP2級でも苦労した利回りにさらにやばい計算式が追加されていました。
複利運用する場合の利回りの計算式です↓
年複利利回り(%)=(残存期間√額面(100円)/買付価格-1)×100
何書いてるかわからないですよね。。。
私も
ルート出てきたよ(@_@)
ルートの中に分数あるよ!
しかもルート累乗させるってよ!!
と久しぶりに見たルートにかなり困惑しました。
③相関係数は自分で計算させられます
FP3級・FP2級のポートフォリオの論点で2つの証券等の値動きを表した『相関係数』ってありますよね。
-1だったら全く違う値動きをするからリスクゼロだ、とか1は同じ値動きをしているからポートフォリオ効果がないとか説明されているアレです。
アレがFP1級では自分で計算させられます。
計算式だけ載せておきます↓
相関係数=証券Aと証券Bの共分散/証券Aの標準偏差×証券Bの標準偏差
共分散とか標準偏差とかやばそうな言葉が詰まってますね(T_T)
共分散と標準偏差の意味はFP1級の参考を読めばわかってきますが、分母と分子のどちらがかけ算をしてどっちに共分散が来るんだっけ!?
と混乱させられます。
この他にも難しすぎる式がたくさん出てきてもう既に私の脳の容量はパンクしています。
とてもじゃないけど暗記だけじゃ乗り切れないと痛感しました。
難しい計算式はC分野(金融資産運用)で多く出てくる感じがするのですが、これらの計算式に私がどう立ち向かっているかという記事も書けたらいいなぁ。と考え中です。

基礎編の選択肢が長文かつ紛らわしい
FP1級学科の基礎編はFP2級の学科試験のような出題方式です。
4つの文章から書かれた選択肢から正答をマークシートに回答します。
FP1級学科の選択肢がFP2級のものに比べてはるかに長文ではるかに紛らわしいのです!
文章が長いから選択肢の言いたいことを掴むのに時間がかかる。
おまけに受験者を惑わせるような紛らわしい言い回し。
そのため、正答にたどり着くのがかなり難しいのです。
実際に惑わされた選択肢を一部抜粋
どんなかんじの選択肢が書かれているのかを伝えるために、私が実際に惑わされた選択肢をきんざいさんの精選問題集から2つだけ抜粋させていただきます。
(出産育児一時金についての選択肢)
きんざい精選問題集15ページ・2015年9月出題問題
産科医療補補償制度に加入している病院において、被保険者が出産した場合は出産育児一時金として42万円が支給され、被保険者が出産した場合は家族出産育児一時金として40万4,000円が支給される。
正解を言っちゃうとこの選択肢は間違いです。
40万4,000円は産科医療補補償制度に加入していない病院で出産した場合に支給されるのであって、産科医療補補償制度に加入している病院だったら被保険者が出産しても42万円支給されます。
でも、私はそんなことも忘れてなんとなく導かれるようにこの選択肢を○としてしまいました。
冷静に考えたら間違いだとわかるのに、いかにも正しい選択肢のように書かれてるんですよね。
あともう一つだけ選択肢を抜粋します↓
(外貨建て終身保険について)
外貨建て終身保険(一時払い)を解約し、解約差益が生じた場合、解約差益のうち保険差益に相当する部分の金額は一時所得として所得税の課税対象となり、為替差益に相当する部分の金額は雑所得として所得税の課税対象となる。
きんざい精選問題集61ページ・2018年9月出題問題
もはや、長ったらしくて何言ってるかわからないですよね。
正解は保険差益に相当する部分も為替差益に相当する部分も一時所得として課税対象になるということで不適切とのことです。
何言ってるかわからないけれどもいかにも正解っぽい文面だから適切だと思ってしまいそうです。
応用編は穴埋め問題も計算も全部記述
FP1級学科の応用編はFP3級・FP2級の実技試験のような出題方法ですが、穴埋め問題も計算問題も全部記述です。
もう一度書きます。
ぜ~~んぶ記述です。
穴埋め問題の出題形式
FP2級までの穴埋め問題といったら選択肢の中から合っているものを選べましたが、FP1級学科の応用編は選択肢も与えてもらえません。
穴埋めに適切な言葉を自分で考えて自分で解答欄に言葉を書くのです。
選択肢が与えられていたら用語を正確に覚えていなくてもニュアンスで解けることもありましたよね。
しかし、選択肢がなく言葉も全部自分の手で書かなければならないということは、用語も全部正確に覚えて書けるようにならないと点数はもらえません。
計算問題の出題形式
FP1級学科応用編の計算問題は計算の過程も自分の手で書かなければなりません。
FP2級実技試験に出題されている老齢年金の計算問題を例に挙げるとわかりやすいのですが、FP2級までは老齢基礎年金も老齢厚生年金も計算方法が資料として記載されていました。
しかし、FP1級学科応用編では計算方法についての資料が一切記載されていません!
つまり、計算方法は完璧に頭に入れて計算の課程もしっかり書いて解答してね。
ということです。
これまで年金の計算問題は資料を頼ってきた節があるので、計算方法をしっかり頭にたたき込むためにかなりの鍛錬が必要だと感じました。

まとめ
FP1級学科の概要や私が勉強した内容から抜粋してFP1級がどれだけ難しいのかについて語りました。
最後まで読んでいただいた方にはFP1級の難しさが伝わったでしょうか?
FP1級学科は
・FP2級よりもはるかに難易度が上がった試験概要
・暗記やあいまいな知識習得では解けない出題形式
によって『自力で解ける日はくるんだろうか・・・?』と思わされます。
FP1級の勉強を始めるかどうしようか悩んでいる方は余計にためらってしまったかもしれません。
しかし、FP1級の勉強を続けていればいつの日かFP2級よりも深い知識を人に教えられるくらい頭に入れられるのではなかろうか?
と私は考えております。
そんな考えをモチベーションに挫折しそうになりながらボチボチと勉強を続けている今日この頃です。
かなり難しいFP1級ですが、少しでも興味のある方は続けていればできると信じて勉強を始めてみてはいかがでしょうか??
この記事の執筆者

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